卒研2007-4 の履歴の現在との差分(No.1)


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[[卒業研究テーマ]]

*連続塩基頻度のBLSOM解析による真核生物ゲノム配列に潜む生物種の個性の解明 [#aaaa4ba6]
広範囲の生物種のゲノム配列が解読され、真核生物についても100を超えるゲノムの配列がデータベースに収録されている。本研究では、大量かつ複雑なデータに潜む特徴を検出する点に優れ、それらの大量情報を容易に可視化できる教師なしニューラルネットワークアルゴリズムの一括学習型自己組織化マップ法 (Batch-Learning Self-Organizing Map, BLSOM) をゲノム解析に適用した。塩基配列の解読が進んでいる真核生物101種を対象とし、各ゲノムを100kb, 10kbに断片化したゲノム配列のオリゴヌクレオチド組成に基づく、BLSOM解析を行ったところ、一切の生物種の情報なしに生物種ごとに断片配列がクラスタリング(自己組織化)を起こした。各生物種のゲノム配列に潜む多様な連続塩基頻度の特徴を検出している。他の真核生物ゲノムに比べ、近縁なゲノム配列が多く決定されているショウジョウバエに着目し、近縁種間でのゲノムが持つ特徴とその系統関係を調べたところ、近縁種では特徴が類似しており、系統的に遠くなるに従ってゲノムごとの特徴が明瞭に異なっていた。さらに、ショウジョウバエの近縁種間での分離に寄与していたオリゴヌクレオチドに着目したところ、転写制御シグナル等の重要なシグナル配列が検出された。本手法を用いることによって、ゲノムに内在するゲノムの特徴をゲノムワイドに解明することによって、近縁種内において獲得してきたゲノム機能・構造を実現している塩基配列レベルでの特徴の解明が可能となった。