五十嵐久美子_ウエスタンブロッティング の履歴(No.1)


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104007 五十嵐久美子さんのデータより

ウエスタンブロッティング

ウエスタンブロッティング 説明1

ウェスタンブロッティングは、電気泳動の優れた分離能と抗原抗体反応の高い特異性を組合わせて、タンパク質混合物から特定のタンパク質を検出する手法です。 SDS-PAGEや等電点電気泳動、二次元電気泳動後のゲルからタンパク質を電気的にメンブランに移動・固定化してブロット(メンブラン)を作製します。メンブランには、タンパク質が結合しやすい疎水性の高いニトロセルロースやさらに疎水性に優れたPVDF(Polyvinylidene difluoride)が用いられます。続いて、ブロットを目的タンパク質に対する抗体と反応させて検出します。検出法には酵素を用いる系、蛍光を用いる系などがあります。酵素を用いる系では、AP(Alkaline phosphatase)やHRP(Horse radish peroxidase)などで標識した二次抗体を一次抗体に反応させて、酵素活性による発色や化学発光により検出します。化学発光による検出には、X線フィルムへの露光検出、あるいは化学発光を検出可能なスキャナーを必要としますが、発色法に比べて10~50倍以上も感度が高いので、微量タンパク質の検出が容易になります。蛍光法は、Cy3やCy5で標識した二次抗体を蛍光検出するので、定量性に優れています。
ゲル電気泳動の高い分離能に、特異性が高い抗原抗体反応を応用することで、細胞抽出液などの複雑なタンパク質溶液中に微量に含まれるタンパク質でも明瞭に検出することができます。ライフサイエンスの様々な分野で、目的タンパク質の検出や解析に利用されています。

ウエスタンブロッティング 説明2

【ウェスタンブロッティングとは】
ウェスタンブロッティング(western blotting)とは、電気泳動で分離したタンパク質を膜に転写した後、抗体を利用して目的のタンパク質のみを検出する手法です。
DNAを検出するサザン(南)ブロッティング、RNAを検出するノーザン(北)ブロッティングと類似の手法なので、ウェスタン(西)ブロッティングと名づけられました。
【目的と原理】
生物体内の様々な生理現象は、設計図であるDNAがmRNAへと転写され、最終的に機能性分子であるタンパク質へと翻訳されて生じると考えられます。そのため、生命現象を研究する際、DNAやRNAレベルでの解析と同様にタンパク質レベルでの挙動解析が必須となります。しかし、生体内から取り出したタンパク質サンプルや、遺伝子から人工的に合成したサンプルには多くの場合、数種類以上のタンパク質が含まれてしまいます。その中から、目的のタンパク質のみを検出して挙動を解析するためにウェスタンブロッティングが行われます。
核酸であるDNAやRNAを検出する際には、目的の核酸に対して相補的な配列を持つプローブ核酸を使用しますが、タンパク質のような高分子物質を検出する際には一般的に目的タンパク質に対する抗体を使用します。具体的には、複数種類のタンパク質を含むサンプルをSDS-PAGEにより分離した後、ニトロセルロース膜やPVDF膜に転写し、膜上で免疫染色を行うことで目的のタンパク質を検出します。
【実用動向】
近年、プロテオミクス分野の発展に伴いタンパク質を扱う技術の重要性も増しています。
ウェスタンブロッティングで検出に使用する抗体には様々な種類があり、単純に目的タンパク質を認識するもの以外に、リン酸基の修飾を受けているかなど目的タンパク質がどのような状態にあるのかを検出できるものなどがあります。さらには、タンパク質‐タンパク質間相互作用の解析(ファーウェスタン法)や、タンパク質‐DNA間相互作用の解析(サウスウェスタン法)にも類似の手法が用いられており、汎用性の高い実験手法として今後も多くの研究に使用されていくと考えられます。

動画

Western blot transfer

SDS-PAGE後からブロッター(タンク式)を使った操作までの手順。検出法については触れられていない。説明は英語で行われるが、ゆっくり話しているので聞き取りやすい。

western blot

原理について。説明は英語。抗体によるタンパク質検出の説明途中で切れている。

MSc in Molecular Exercise Physiology Western blot

SDS-PAGEかタンパク質検出までの手順。説明はやや早口の英語。

画像

名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科 生体制御情報系 湯川研究室

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オリエンタル インスツルメンツ株式会社

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協和発酵キリン

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東洋紡ライフサイエンス事業部

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